北鉄バス車両ファイルF
日野HR系
            KL−HR1JNEE   PK−HR7JPAE ほか



日野HR系列は北鉄では平成12(2000)年
から導入されています。
正確には「中型ロング」という位置づけのこの
車種ですが、社番を見る限りでは北鉄では大
型車として扱われています。

このHRの登場以来、大型車の増備は行われ
ずひたすらHRのみが導入されていた時期が
続きましたが、05年ごろから再び大型車中心
の導入となったため、金沢の中心路線の運用
を離れる車両も出てきました。

今回は、やや年季が入って味わいも出てきた
(?)そんな日野HR系をご紹介します。


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●注目の新車 00・01年式

日野HRの第一弾は平成12(2000)年11月、東部営業所
に579〜583の5台が導入されました。
メーカーは中型ロング車として売り出していますが、定員は
64人で座席数28と、大型車なみの収容力を持っている
ためか北鉄では大型車として考えられていたようです。
聞くところによると、大型ワンステップバス並みの価格で
購入できるということですので、金沢のノンステップバス化を
進めていくうえでも好都合だったのかもしれません。

車体長は標準尺の大型車と同じくらいですが、車体幅が
中型車並みですので非常に細長く見え、「ダックスフンド」と
呼ばれることもあります。
北鉄のHRは、これまでの通り中扉はグライドスライドドアを
採用しました。また、車内はノンステップ部分はローバック
シート、それ以外はハイバックシートが並んでいたりと他社の
HRにはあまり見られない仕様となっています。
また、同時期の三菱ふそうノンステップ車とは異なり、窓まわ
りをブラック塗装としている点も特徴で、より引き締まった
印象を与えてくれます。
このHR5台は、主に花里線に投入されていました。


翌平成13(2001)年の8月には南部営業所に7台が導入
されました。主に額住宅線で活躍していましたが、松任線や
金沢寺井線にも使用されていました。
車両の仕様は00年式と同じですが、北鉄としては初めての
音声合成装置を搭載しており、ブザーボタンを押すと
「次停まります。バスが停車してから…」という放送はこの
時導入された車両から始まりました。
従来車への音声合成装置の取り付けは02年から03年に
かけて行われていったので、それまではこのHRと同時期に
導入された日産製中型ノンステップ(81−599ら)や
特急バスでしか音声合成放送は聴けませんでした。

01年の新車は緑化フェア輸送に間に合うように導入され、
HRは旧型車を押し出して路線に投入され、日産製中型
ノンステは緑化フェア時に運行されていた無料ループバスに
使用されていました。

00年式、01年式HRは導入から10年近くが経過している
こともあり、導入時の営業所に在籍している車両が少ないこ
とも特徴です。
00年式で東部に残っている車両はおらず、01年式でも
南部で今でも活躍しているのは597と598のみです。
これら2台は中型ロングの特徴を活かして最近では
三馬大野線での運用がメインとなっています。


▲新しいデザインの運賃箱が導入されたのもHRからです。



●数十年ぶりに引戸車を採用 02年式

平成14(2002)年12月にはさらに7両のHRが導入され
ました。607〜611の5台は翌03年1月から運行されること
になっていたシティライナーの専用車で、607と608が西部、
609〜611が金中に導入されています。
612と613も西部営業所に配置されましたが、こちらは一般
路線車として平和町線や野田線・大桑線に投入されました。

02年式車の大きな特徴は、グライドスライドドアの採用を
やめ、すでに全国標準となりつつあった引戸を採用したこと
です。
従来のグライドスライドドアでは、ドア開閉のためのスペース
が大きく取られてしまい、車内混雑時にはドアをなかなか
閉めることができないといったトラブルもあったため、デッド
スペースが少なくすでに全国標準となっていたことが引戸
採用の理由のようです。
また、もう一つの特徴は乗降口の高さが地上から30センチ
メートルとなるように設計されていることです。さらに
バスの車体を傾けることでより地面との段差を少なくする
リーニング機構も採用しています。

612と613はそのほかの仕様は01年式と同じですが、
シティライナー専用車の5台は内装も異なっています。
ほかのHRでは、引戸の戸袋部分にあたる場所は横向き
シートが採用されていますが、これらの車両はすべて前向き
シートで、生地も青色を採用しているほか、
ドア付近の握り棒が黄色になっており、車内のイメージが
かなり異なります。
また床面の素材も異なり、外国からわざわざ輸入したものを
採用しているそうです。ラメのようなものが入っていて床が
キラキラと光っていて登場時はたいへん新鮮でした。
引戸を採用したため、これまで横方向幕があった場所が
戸袋となってしまい、仕方なく(?)横幕の位置がドア後ろに
変更されている点も外観上の変化です。

607と608は先述のように当初は西部に配置されていまし
たが、03年4月にシティライナー系統が金中担当に一本化
されるとこの2台も金中に移籍しました。
また同時に612と613も西部を離れ、南部へ移籍していま
す。この頃から、新車はまず西部に導入され平和町線で
短期間だけ使用されてから他の営業所へと転属されるという
不思議な流れができてくるようになります。

シティライナー専用車は、側面の広告枠がなくまた前面・側面
と後面の「ノンステップバス」表記がなくかわりに「CITYLINER」
と書かれていましたが、運用の弾力化を図るためなのか
09年5月に消され、外観は612らと同様になっています。




●引戸部分も黒塗りに 03年式

03年式は、その年の11月に導入されました。
4台が導入され、やはり西部営業所に配置となり、そして
やはり平和町・野田・大桑線に投入されました。

この時導入された車両から中引戸部分も黒塗りとなり、
車両全体の見た目のバランスが整っています。
また、翌04年式からはバンパーが赤色となるので、
バンパーと引戸部分で03年式かどうかが容易に見分ける
ことができました。
しかしHR特集第二弾で詳しく述べますが、現在では外観の
小改造も行われており、見分けることは難しくなっています。



●カラーバンパーを採用 04年式

04年式から形式名が変更となり、同時に北鉄では若干の
カラーリング変更も行っています。
最も目立つのはバンパーで、この年式から赤色に塗られる
ようになりました。ただしライト部分は以前と同じく黒塗りと
なっています。この部分の塗装はその後も試行錯誤が繰り
返されており、イメージを大きく左右する部分であるにも
かかわらず、あまり統一性がありません。

この年は10月にまず加賀白山バス野々市に211と212の
2台が、続いて南部に636〜640の5台が導入されていま
す。白山バスになってから野々市に大型の新車が入ったの
はこの時が初めてでした。
またこの年式からシートも変更され、全席ローバックシート
となり、柄も現在の青系に赤の混じった紫っぽいものに
変更されています。
この年から、前面ライト部分に「国土交通省標準仕様ノン
ステップバス」のステッカーと、側面に日野の四つ星プロジェ
クトのマークが取り付けられており、時代の流れを感じます。
標準仕様になってしまったからなのか、内装にも北鉄オリジ
ナル感がなくなってしまったのは残念です。
そのほかの変化としては、左下画像を見ていただければ分
かるように、赤色がやや鮮やかになった点も挙げられます。


(画像 左):南部の24−637。

(画像 左下):21−598と24−638の比較

(画像 下):後のバンパーも赤色になりました。



     

●9m車も登場した06年前期

次のHRは一年あまりを経て06年2月に導入されました。
北陸鉄道本体では東部に652〜654の3台、加賀白山バス
では野々市に216の1台がそれぞれ配置されています。

基本的に04年式と同仕様ですが、白山バスの216のみ
前面の「ノンステップバス」表記が小さくなりました。
あまり強調するのも格好悪いから、というのが理由かと思わ
れます。
北陸鉄道本体では各営業所にHRを毎年配置してきており、
ここで一巡して再び東部への配置となりました。投入された
のはやはり花里線や錦町B線でした。
野々市の216は、旧エアロスターの巣窟だった82系統の
運用もあり、柳橋に初めてHRが姿を見せてくれました。
この年は、9mの中型HRも金中に導入されています。
導入されたのは、019と020でこの時までは各分社ごとに
社番がバラバラとなっています。また一桁目が中型を表す
「6」となっており、こちらもこの時期は「2」か「6」かでバラバラ
で統一されていません。

注目すべきは前面が赤一色となったことで、大きくイメージが
変わりました。また「ノンステップバス」表記も白山バスに倣い
小さくなったほか、ほくてつバスの新車と同様スモークガラス
を採用し、カーテン設置のコストを削減しています。


(画像 左):加賀白山バスの26−216。

(画像 左下・下):北鉄金沢中央バスの019と020。

(画像 ▼▼)020の内装。カーテンがありません。

(画像左):26−216と34−463の正面比較。
     HRの小ささがわかりますね。

(画像下4枚とも):216の車内。
         こちらはカーテンを装備しており、ガラス
         もスモークではありません。
         04年式以降のHRはノンステップエリアが
         従来車よりも少し拡大され、中ドアよりも
         少し後ろまでノンステップエリアとなりまし
         た。このため中ドア直後の座席はかなり
         背もたれが長くなっています。




●最後のHRは金中バスに

今のところ最終増備となっているHRは、06年11月導入の
683と684で、金中に導入されています。
前面真っ赤で、スモークガラスでカーテンなしなどの仕様は
2月の中型車と同じですが、車内の床の色が現在と同じ黒
系となりました。
握り棒もオレンジ色に統一されたり、段差を注意するステッ
カーもこの時から取り付けられるようになり、いずれも現在の
新車にも受け継がれています。

この2台は主に安原線で現在も活躍しています。



●加賀白山バス移籍車の変化

平成21(2009)年5月改正に伴い、車両の移動が行われ
HRも数台が北陸鉄道本体を離れ分社へと移籍していきま
した。

初期に導入された581、582は加賀白山バスの野々市へ
移籍し、583は奥能登バスの門前へ移籍しました。
そのさいに塗装が若干変更され、バンパー部分が赤色と
なり04年式以降の車両に近い印象となりました。
(中ドアが折戸であるため完全に同じ外観というわけには
なりませんでした。)

このほか627も野々市へ移籍していますが、こちらは
金中バスのように前面が真っ赤になり、さらにはミラーまで
赤色となり、異彩を放っています。
▲右上の写真(21−582)を除きすべて627。いずれも09年夏に撮影したものです。



●シティライナー専用車の変化

同じく09年5月には、02年式のシティライナー専用車にも
大きな変化がありました。
これまでシティライナー専用車には「CITYLINER」の
ロゴが前面、後面、側面にそれぞれ入っていましたが、
そのロゴが消されさらに側面と後面には広告枠が取り付け
られ、一般車との外観上の区別はなくなりました。

これはおそらく運用に弾力性をもたせるためだそうで、
これによって安原線などにも頻繁に登場するようになりまし
た。また、シティライナー系統にはこのHRのほかに
07年、08年式の車両も多く姿を見せるようになっています。
▲ロゴがなくなったことによって、612、613と同じ外観となりました。

(09.10.31 更新)


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